図書館サービスいまむかし

今なにげなく利用している図書館のサービスにも、50年の歴史の中でさまざまな変遷がありました。1965年の開館以来の各年度の当館の「利用案内」や「としょかんだより」をひもとくと、50年前から現在まで、この図書館を利用したたくさんの方々がいたことにあらためて気づかされます。

ここには過去の「利用案内」や「としょかんだより」などからわかる現在のサービスとの相違点をまとめました。当館の図書館サービスの「いま」と「むかし」をこの機会にぜひお読みください。意外な発見があるかもしれません。

農学生命科学図書館は今後も図書館を利用するたくさんの皆様に、学習・研究に必要な資料やスペースを提供し、便利に活用される図書館でありたいと存じます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(「図書館サービスいまむかし」の「いま」に記載した情報は2015年11月時点のものです。最新の情報は東京大学農学生命科学図書館のサイトをご覧ください。http://www.lib.a.u-tokyo.ac.jp/

いま

平日:8:30~22:45、土曜日:12:00~17:00
(試験期には日曜・祝日も臨時開館)

ご存知でしたか?2015年度現在、学内の図書館・室の中で、平日の開館時間が一番長いのは農学生命科学図書館です。ぜひ図書館を有効に活用してください。

なお、授業のない期間は開館時間が短くなります。また、試験期には日曜・祝日も臨時開館します。農学生命科学図書館にお越しの際は最新の開館日カレンダーを当館のホームページの開館日カレンダーでご確認ください。

図書館の外観のいま(2015年)と、むかし(1965年)

むかし

平日:9:00~19:00、土曜日:9:00~17:00
(1965年度)

 平日の開館時間について

1973年以降、職員3名の減員に伴う業務縮小の臨時的措置として開館時間を11:00~17:00に短縮(1974年からは9:30~17:00に変更)した時期がありました。 その後、1980年に9:30~18:30に延び、2001年1月に9:30~20:00、2004年10月に9:00~22:45まで延びています。 2006年10月以降は耐震改修のため17:00閉館や20:00閉館だった時期がありましたが、耐震改修工事が完了しリニューアルオープン後の2009年9月からは22:45閉館に戻っています。さらに、2014年4月からは朝8:30開館となりました。

 土曜日の開館について

1965年の開館当初は土曜日も9:00~17:00で朝から開館していました。その後、9:00~12:00(1973年)、9:30~12:00(1974年)、9:30~13:00(1977年)、9:30~14:30(1981年)、国家公務員週休二日制実施の1992年からは10:00~15:00、というように土曜開館時間の変遷を経て、現在と同じ12:00~17:00開館になったのは2004年10月のことです。2006年10月以降の耐震改修のため本館を閉鎖していた一時期は土曜休館でしたが、翌2007年7月には12:00~17:00開館に戻っています。

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農学生命科学図書館ではICカード(学生証・職員証・図書館専用カード)を入館ゲートにタッチすると入館できます。他学部の方も同様です。また、ICカードをお持ちでない方、学外・一般の方も、カウンターで身分証をご提示いただき入館票に氏名・所属機関名等をご記入の上、入館していただけます。

館内から見た入り口付近の様子

むかし

現在のような入退館システムが導入されたのは2004年4月からです。

1965年の開館当初は今のようにシステム化されておらず、カウンターで身分証明書を提示して入館していました。1978年以降は利用案内に「農学部所属の教職員および学生の方は自由におはいりください。」とあり、入館の際の身分証明書提示が不要になっています(貸出等のサービスを受ける際に身分証明書を提示)。

農学部以外の方は1965年の開館当初から氏名・所属機関名等を記帳して入館していましたが、学内者に関しては1997年10月にこの記帳手続きが廃止されています。

開館当初の館内から見た入り口付近の様子

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農学生命科学図書館では、荷物を館内に持ち込み可能です。入館ゲート手前にあるロッカーをご利用いただくことも可能です。

現在のロッカーの様子

むかし

1965年の開館当初の図書館利用案内には、「鞄をお持ちの方は、なるべくロッカーにお入れください。閲覧室および書庫内に鞄を持ちこまれた場合は、退館の際カウンターで図書のチェックをさせていただきます。」と書かれています(1971年以降は「なるべく」が消えました)。

2004年4月にブックディテクションシステム(資料無断持ち出し防止装置)を導入以降は、バッグ類の館内への持ち込みが可能になりました。

1990年頃のロッカーの様子

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図書や雑誌はICカード(学生証・職員証・図書館専用カード)を使ってシステムにより貸出をしています

バーコードが貼ってある図書や雑誌は、開館時間中、カウンター脇の「自動貸出機」で貸出手続き可能です。操作方法は簡単ですので一度お試しください。

バーコードが貼られていない図書・雑誌もカウンターで貸出可能です。 (卒業生・修了生・学外の皆様への貸出は行っておりません。)

自動貸出機

むかし

システム導入以前は、図書の表紙の裏のブックカードに利用者がサインをし、カウンターで返却期限日のスタンプを押して貸出をしていました(ブックカードが入っていないものはカウンターで貸出票に記入)。

現在のようなシステムによる貸出業務を開始したのは、2001年9月のことです。2004年9月からは「自動貸出機」を導入しています。当初、自動貸出機は平日9:00~17:00のみ利用することができましたが、翌2005年10月からは平日9:00~20:00に延長、現在は、平日・土曜とも図書館が開館している時間中いつでも利用できます。

システム導入以前の様子

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農学生命科学図書館では、貸出冊数の制限がありません。冊数を気にすることなく、必要な資料を借りることができます。ただし延滞中の資料が1冊でもあると、新たに借りることができなくなりますので、返却期限にご注意ください。

図書は2週間、雑誌は1週間借りられます。なお、図書のみ延長1回(2週間)可能です。延長手続きは便利なMyOPACサービスでどうぞ。

むかし

開館当初から、貸出冊数の制限はありませんでした。

1965年の利用案内には「冊数には制限がありませんが、他の利用者の迷惑にならない範囲にとどめてください」と書かれています。図書は、一般図書:2週間、指定書:1週間というきまりになっていました。

最新の研究成果が論文として掲載される学術雑誌は重要な情報源であり、図書館でもよく利用されています。そのため雑誌については貸出期間が短く、新着雑誌(1ヶ月以内のもの)・自然科学系一般誌は夜間のみ(翌朝10時までに返却)、社会科学系雑誌・自然科学系総説誌は1週間というように、雑誌の種類によって貸出期間が分かれていました。

1965年の利用案内から抜粋

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カウンターで返却、または、閉館時には外にあるブックポストに返却できます。

駒場・柏・白金キャンパスの図書館・室から借りた本も、農学生命科学図書館のカウンターで返却できます。

ブックポスト

むかし

閉館時に利用できるブックポストが設置されたのは2006年10月のことです。

駒場・柏・白金キャンパスの図書館・室から借りた本は、2005年6月から農学生命科学図書館のカウンターで返却できるようになっています。

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新着図書の展示棚は1階カウンター横にありますが、新着雑誌の展示コーナーはありません。新着雑誌もすぐにそれぞれの雑誌の棚に並びます。

現在の雑誌架の様子

むかし

1965年の開館当初は、利用頻度の高い雑誌約600タイトルを半年間、1階奥に当時あった「雑誌展示棚」に展示し、その後は書庫に並べていました。

開館当初の雑誌展示棚の様子

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東京大学OPACで東京大学の各図書館・室が所蔵する図書・雑誌を検索できます。

農学生命科学図書館には1階~3階の合計5箇所に東京大学OPAC検索用の端末があります。インターネットに接続した端末があれば、自宅など学外からでも検索可能です。

東京大学OPACの画面で所蔵館の欄に「農図・雑誌」や「農図・一般図書」等と表示されていれば、農学生命科学図書館で所蔵しています。詳しくは、OPAC検索結果からたどる館内配置のページをご参照ください。

現在(2015年)のOPAC端末の様子

むかし

1989年4月にOPACサービスが開始するまでの長い間、図書や雑誌を探すにはカード目録や冊子体の目録が使われていました。図書のカード目録は著者目録・書名目録のほか、図書の請求記号順に並べた分類目録もあり、主題から図書を探すこともできました。

オンラインで検索できるOPACサービスが開始したのは1989年4月のことです。1989年4月発行「としょかんだより No.71」には詳細な「OPACの使い方」が掲載されています。そこに書かれているOPAC検索の入力例を見ると、現在とはOPACのシステムが異なるため、著者名で検索するには「A△EMOTO△OSAMU」、書名で探すには「T△KACHIKU△BYORI△KAIBOGAKU」(注:△はスペース)、というように頭に「A」(AuthorのA)や「T」(TitleのT)、検索結果表示をするには「D」(DisplayのD)など、様々なコマンドと呼ばれるアルファベットを入力する必要がありました。

OPAC端末導入前の様子

1990年頃のOPAC端末の様子

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農学生命科学図書館は全館禁煙、飲食は1階ラウンジでのみ可能です。

ラウンジは、壁面を利用した企画展示を見ながらランチなどの飲食ができる場所として、人気のスペースとなっています。

現在のラウンジの様子

むかし

2012年12月からラウンジで飲食が可能となり、館内に飲食可能なスペースができました。

喫煙に関しては、開館当時の1965年「利用案内」には「閲覧室での喫煙は自由ですが、書庫内は禁煙です」とあり、このルールがしばらくの期間続きます。1991年「としょかんだより No.79」によれば投書を受けて検討し当面の間の措置として新聞雑誌閲覧室換気扇に近接する座席を喫煙席として指定することになり、その後、時期ははっきりとしませんが全館禁煙となったようです。

開館当初の閲覧室の様子。机の上に灰皿が置かれていました

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携帯電話の通話は、1階ラウンジ・3階エレベータ前で可能です。

むかし

開館当初の1965年の「利用案内」には「呼出し」という項目があり、「閲覧者の呼出しは、緊急の場合にのみいたします」とあります。携帯電話の無かった時代ならではのサービスです。

さらに「電話」という項目もあり、「利用者が学内に電話をかける場合は、玄関内側の構内電話をお使いください」とあります。1966年の「利用案内」には「利用者が電話をかける場合は、玄関内側の公衆電話または構内専用電話をお使いください」とあり、学外にもかけられる公衆電話が設置されたことがわかります。

1970~80年代に設置されていた公衆電話

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4月と9月に図書館ツアーを開催し、館内の設備やサービスの利用方法、資料の探し方などをご案内しています。留学生向けに英語による図書館ツアー "Library Tour in English" も実施しています。

今年2015年9月には新たに「セルフツアー」方式による図書館ツアーを1ヶ月間開催し、予約不要で好きな時間に自分のペースで回れると好評でした。詳しくは、図書館セルフツアー 「農学生命科学図書館を知る! ~セルフツアーで図書館探検~」をご覧ください。今後も実施予定ですのでぜひご参加ください。

図書館セルフツアーの様子

むかし

1981年4月に農学部進学生のためのスライドによる図書館ガイダンスを開催しています。スライドといっても、「PowerPoint」のようなソフトの無い時代ですので、マイクロフィルムで作成されたものです。

『としょかんだより』(No.64 1987年)には新3年生の図書館ガイダンスに関する、教員が執筆した記事があり、

進学式当日、学科ガイダンスと夕方の懇親会の合間に、三年生約75名を図書館へつれていった。(略)3グループにわけ、職員の方々が案内して下さった
とあり当時の図書館ツアーの様子がうかがえます。

この記事には、

例えば、進学後1週間とか10日間は、特別体制にして各コーナーに案内板を設けるとか
という提案が書かれており、今年2015年9月に実施した「セルフツアー」に通じるものがあります。

当時利用していたスライド映写機とスライド

スライドの映像

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農学生命科学図書館には「個室」が2階に7部屋(0号室~6号室)あります。利用対象者は農学部・農学生命科学研究科/生物生産工学研究センター/アジア生物資源環境研究センターの所属者限定です。学部学生の皆さんにもよくご利用いただいています。

0号室・1号室は、利用日の前日から予約可能で、1時間単位で利用できます。※今年(2015年8月)から0号室では語学やゼミ発表練習など声を出す学習も可能となりました。

2号室~6号室は、半月前から予約可能で、半月単位で利用できます。すぐに予約が埋まりますので、ご希望の方はお早めにカウンターでお申し込みください。

当館には、個室の他にもグループで利用できる「ゼミナール室」や会議室などがあります。ぜひご利用ください。館内施設紹介ページ

現在の個室の様子

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農学生命科学図書館で現在も人気の施設である「個室」は、1965年の開館当初からありました。当時は、今より1部屋多い8部屋あり、利用案内によると「農学部教官・大学院学生およびその他必要と認められるもの」が利用可能でした。(「学部学生」が正式に利用対象者に含まれたのは2013年7月からです。)

1970年には個室「9号室」が作られ個室の数が9部屋になりましたが、この部屋は1979年に情報検索端末機室に変わったため8部屋に戻り、その後2009年の耐震改修工事によるリニューアルの際に、個室の位置にエレベータが新設され、現在7部屋(0号室~6号室)となっています。

以前はどの個室も半月単位の利用となっていましたが、0号室・1号室については2010年2月から現在のように1時間単位・当日閉館時間まで利用可となっています。

なお、個室の他に、グループで学習できる「グループ・スタディ・ルーム」という名称の部屋も1965年から存在しており、当館が50年前の開館当初から、学習スペースの提供による学習・研究支援を重視していたことがうかがえます。

耐震改修工事以前の個室の様子

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